法要は法事ともいい、忌日や命日に営む行事のこと。宗教や宗派によって異なるしきたりを知ることが先決です。
近親者が亡くなると、その日から一定の期間、喪に服することを「忌服」といいいます。
忌は、日常の行為をつつしんで身を清める、服は喪服を着てみをつつしむという意味。明治7年に太政官布告の「忌服令」が出され、忌服期間は厳格に定められていました。最近は形式的なものになりつつありますが、やはり、亡くなって一年以内(喪中)の行いはつつしみたいところ。
結婚式や祝賀パーティなどのおめでたい席は辞退し、正月飾りやお節料理、年賀のあいさつも控えます。亡くなった年の12月までには、年賀欠礼(喪中欠礼)のはがきを出します。
文面は、いつから誰の喪に服しているかを簡潔にまとめて書きます。喪中のはがきが届いてたら、年賀状を出すことは遠慮します。
なにかお返事をしたいのであれば、松の内が明けてから、寒中見舞い状を出すとよいでしょう。
キリスト教では、人の死は召天であるとされているために、喪中という考え方はありません。したがって、キリスト教徒のあいだでは年賀状やクリスマス・カードを遠慮する必要はありません。
ただし、毎年年賀状を出している相手がキリスト教徒ではない場合、年賀欠礼のはがきを出して失礼してもさしつかえありません。
法要(法事)とは、死者の冥福を祈り、その霊をなぐさめるために、忌日や命日に営む行事のこと。
仏式では、忌が明ける七七日(または四十九日、七七日)までを「中陰」といい、忌日法要は 7日ごとに営まれます。
初七日は、正式には故人が亡くなった日から7日目に行うもので、寺院や自宅に親族、友人、知人を招き、僧侶が読経し、茶菓や精進料理でもてなします。
七七日は「満中陰」とも呼ばれ、故人の運命が決まる重要な日とされています。初七日と同じように盛大に営みます。
その後は百か日で忌日法要は一段落し、一周忌からは年忌法要になります。
年忌法要は、一周忌から百回忌まであり、その後は50年目ごとに営みます。このうちとくに重要なのは一周忌と三回忌です。
一周忌までに行う忌日法要では、初七日と七七日の2回だけに省略することが一般的です。
初七日は、遠方から出向いた人への配慮から、火葬場から遺骨が帰宅したときの遺骨迎え(還骨勤行)の法要といっしょにすませることが多くなりました。
故人が亡くなった同月同日を祥月命日といい、毎年訪れます。一周忌や三回忌などの年忌でなければ、とくに人を招くことはせずに、家族で供物や花を供え、墓参りをしましょう。
また、毎月の、故人が亡くなった日と同じ日が月忌ですが、月忌法要はほとんどおこなわれなくなりました。
年忌法要は、都合が悪ければ祥月命日である必要はありませんが命日より遅らせることはしないものです。
七回忌以降はすべての法要を行う必要はなく、三十三回忌や五十回忌で年忌法要を切り上げてもかまいません。
最終の年忌は、「訪ない切り」「訪いきり」「弔い上げ」「祭り終い」と呼ばれます。
かつては、弔事一般は盛大に行うものとされていましたが、最近は簡略化される傾向にあります。少子化、核家族化で親族が集まりにくかったり、かたちにこだわるような実をとる気持ちの表れでもあります。
基本は心がこもっているかどうかであり、どう営むかは、宗教や宗派、家柄や地域の風習、しきたりによっても異なります。
親族の年長者や家族と相談することも大事です。
Q:服喪中にお中元やお歳暮、お年玉をあげてもよいのですか?
A:喪中であることとお世話になった方への感謝の気持ちは別ですので、いつもどおりにお中元やお歳暮を贈ることにとくに問題はありません。
ただし、紅白の水引をかけるなど、慶事用ののし紙は控えましょう。お年玉は、表書きを別の各目(書籍代、文房具代など)にして、おこずかいとしてわたせば、これも問題ありません。
一般的な仏式法要の例
[忌日法要]
[年忌法要]