出棺後の留守宅では、後飾りの祭壇をしつらえ、精進料理の準備をして、遺骨迎えと精進落しにそなえます。
重要事項
- 埋葬許可証の受け取りを確認する
- 還骨法要と初七日法要は兼ねる
- 火葬場から戻ったら水と塩で清める
- 精進落としは、今は僧侶や世話役をねぎらうのが目的
遺骨迎え・精進落とし
出棺後の留守宅では、後飾りの祭壇をしつらえ、精進料理の準備をして、遺骨迎えと精進落しにそなえます。
骨壷をわたされたら埋葬許可証を確認
骨あげが終わると、骨壷は白木の木箱に入れられ、白い布で包まれます。喪主は両手で抱えて持ち上げます。位牌と遺影は、喪主についで故人との関係が深いふたりが持ちます。喪主が先頭の車に乗って戻ります。
骨壷をわたされたとき、埋葬許可証が入っているかどうかを確認しましょう。これがないと、納骨することができない大切な書類です。
後飾りの祭壇
位牌・遺骨・遺影を飾り、忌明け(七七日)までまつる
後飾りの祭壇をしつらえ遺骨迎えの準備をする
火葬をしている間、喪家に残っている世話役や手伝いの人は、遺骨が戻ってくるまでに後飾りの祭壇をしつらえます。忌明け(七七日)まで仏壇に納められない位牌や遺骨を安置するもので、仏壇の近くか、部屋の西か北の方角に置きます。
2、3段がふつうで、白い布をかけた小机に線香立て、燭台・香炉を置き、供花や供物を供えます。
火葬場から戻った人は水と塩で清めるのを忘れずに
火葬場から戻ってきた人は、家に入る前にお清めをします。正式には家に残っていた人たちが、ひしゃくで水をすくってひとりひとりの両手にかけてタオルをわたします。手を洗ったら、胸と背中に軽く塩をかけます。
最近では、手洗いを省略したり、火葬場からもどった人がお互いに塩をふりあうことですませています。塩が喪服と正地をいためることから、玄関先に塩を敷き、それを踏んで清める地域もあります。
還骨法要は、初七日を兼ねることが多い
遺骨がもどったら、後飾りの祭壇の前で読経してもらい遺骨迎えのための「還骨法要」を執り行って葬儀をしめくくります。都市部では省略されることがありますが、火葬場に僧侶が同行した場合は行うのがならわしです。
最近は、遠方からの会葬者に配慮して、仏教では死後はじめて行う「初七日」の法要と還骨法要を兼ねて行うことが増えてきました。これを、「付七日」「くりあげ初七日」と呼びます。
僧侶への謝礼は一括でわたします
送料が火葬場へ同行しない場合は、告別式が終わったあと、同行した場合は還骨法要が終わった後、 すべての謝礼を寺院への「御布施」という形で一括してわたすのが一般的です。僧侶はそのあとの精進落としにも招くのが通例です。
辞退された場合には「御膳料」を、自家用車で送迎した場合でも「御車代」は別に包みましょう。
世話役たちの労をねぎらう精進落とし
「精進落とし」は、本来、忌明けまで肉や魚を口にせずに、通常の食事にもどることをいいます。しかし、最近では、還骨法要、初七日法要が終わったら、僧侶や世話役をねぎらうために行う意味合いが強いようです。
自宅で行う場合、世話役やお手伝いの人たちの手をわずらわせないよう、仕出し屋に頼むか、近くの料理屋などに席を設けるか一般的です。精進落としの席では、喪主や遺族は末席に座り、お酌をして回り、故人の思い出を語りながらお礼を述べます。
全員が疲れていることに配慮して、精進落としは1時間~2時間でお開きにします。喪主が開会・閉会のあいさつをするのがていねいですが、締めくくりのあいさつを葬儀社にたのみ、流れ解散にする例もふえています。
《清めの手洗い、清めの塩》
遺族以外の家に残っていた人が、火葬場から戻ってきた人たちが家に入る前に全員を清めます。
御布施の金額は決まっていないので葬儀社などに相談を
僧侶に対するすべての謝礼は、寺院への「御布施」というかたちでわたします。本来、僧侶が施してくれた精進的な慰めへのお礼なので、とくに基準はありません。どのくらい包んだらよいかは葬儀社に相談するか、僧侶に直接たずねてもさしつかえありません。
【例】
枕経 | 1万円 |
戒名 | 20万円~100万円 (通夜・葬儀・初七日の読経を含む) |
御車代 | 5,000円~1万円 |
御膳料 | 5,000円 |
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