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無宗教葬を行う

宗教にとらわれることなく、故人が生前望んでいたとおりに葬儀を行うのが無宗教葬。遺族の愛が問われます。

重要事項

  • 決められた形式はなく内容は自由
  • 故人の人となりを表す演出を
  • パーティ形式でもよい
  • 寺や教会は会場に使わない
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企画・進行役をあらかじめ決めておくこと

宗教による儀式にとらわれないので、企画・進行が自由に行えてよいと考えがちですが、決められた枠がない事柄を限られた時間内に決めていくのはなかなかむずかしいものです。葬儀の内容を企画・進行する人をあらかじめ決めておくとよいでしょう。

友人・知人などが寄り集まって、遺族と相談しながら進めていくのもひとつの方法です。いずれにしても、葬儀の中心となる葬儀委員長を決めて、遺族代表が喪主となって進めていきます。

故人の人柄を反映させ、慎み深い内容に

内容はまったく自由ですが、故人の生前の業績や性格、人となりを表すものにしましょう。一般的には故人が好きだった詩や小説の一説を朗読したり、献花を行うことが多いようです。故人にお世話になった人たちが集まり、お別れ会やしのぶ会としてパーティスタイルで行う場合もあります。

また、故人が生前属していた団体の仲間が主催し、葬儀は仏式や神式などで行い、告別式のみ無宗教で行う場合もあります。故人が生前、音楽に関わる仕事をしていたり、音楽を趣味にしていた場合は、葬祭場に音楽を流して葬送する「音楽葬」を企画するのもアイデアのひとつです。

自由葬では寺や教会は使えません

無宗教葬なので、寺や教会を会場として使うわけにはいきません。自宅でやるか、集会場や公共施設・葬祭場・ホテルを利用するとよいでしょう。故人がもっとも関係の深かった場所も適しています。たとえば、学校関係者だったら講堂などでもよいでしょう。会社の集会場や大会議室なども利用できそうです。

焼香や読経は不可能ですがホテルは自由葬にふさわしい

ホテルは、最近になって葬祭場として使われるようになりました。場所がわかりやすく、交通の便がよく、駐車場も完備しています。料理・宿泊施設・サービスなど、ホテルならではのメリットはたくさんあります。ただし、ホテルでは遺体の安置や焼香、読経を許可していないことを前提に企画しなければなりません。

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親しく語り合える場を中心に式次第をつくるとよい

故人の人となりによって変わってきますが、一般的な式次第のパターンは次のようなものです。

  1. 開式の言葉
  2. 黙祷
  3. 弔辞・弔電披露
  4. 故人の業績や人柄の紹介
  5. 献花
  6. 喪主または遺族代表の謝辞
  7. 最後の別れ
  8. 閉式の言葉
  9. 茶話会または会食

所要時間は、葬儀が1時間、会食が1時間、合計2時間程度でお開きにするのがふつうです。

故人の遺志をとおすなら葬祭場も宗教色のない場所に

せっかく無宗教葬を行っても、埋葬する墓地が宗教法人によって管理されていると、その宗教で供養されることになります。故人が強く無宗教葬を望んでいた場合は、公営の霊園や納骨堂に納骨するのがよいでしょう。

最近では海や山に散骨する方法もあります(故人を密やかに送る参照)。その後の供養の仕方にも決まりはありません。遺族が自宅に一室をもうけて、遺影を飾り、花を供えてもよいのです。また、無宗教葬では仏式の法要にあたるものもなく、1年に1回、命日などに故人の遺族や縁故者が「しのぶ会」を行う方法があります

無宗教葬の注意点

無宗教葬は故人の遺志を尊重し、宗教にとらわれず、自由な形式で行うのが基本ですが、注意したほうがよい点がいくつかあります。無宗教葬を営むにあたっては、ぜひチェックしておきましょう。

  • 遺体の扱いは臨終に立ち会った医師の指示に従う
  • 死亡届を提出し、火葬許可証または埋葬許可証を必ずもらう
  • 式の内容は故人の霊を慰めるものであること
  • 故人や遺族と親交の深かった人たちの十分な理解を得ること
  • 司会者や世話役代表には故人をよく知っている人を選ぶこと

葬儀はやり直しがききません。悩んだら葬儀社に相談してみましょう。

Q & A

Q 自分の葬儀は無宗教葬で行いたいと思っています。注意すべき点はありますか?

A 無宗教葬を行う人は増えていますが、まだまだ一般的ではありません。そのため周囲の人たちが必ずしも、温かく迎えてくれるわけではありません。自分の葬儀を無宗教葬で行いたい場合は、その旨を生前に一筆、書き残すようにしましょう。故人の強い意志がわかれば、周囲も納得するはず。遺族の負担もずっと軽減されます。

Q 無宗教葬では遺族はラフな服装でよいのでしょうか。

A 無宗教葬は自由葬ともいいますが、実際は遺族側の服装は正喪服か準喪服を着ることが多いようです。要は葬儀にのぞむ遺族の心の問題です。心新たに故人をしのぶ意味でも、礼装を身につけて臨みたいものです。

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