通夜には、故人と親しかった人が多く集ります。進行がとどこおらないように、準備には万全を期します。
重要事項
- 半通夜が一般的
- 通夜振る舞いの料理の量は会葬者の50~70%に
- 供物・供花は故人と関係の深い順に並べる
- 準備は1時間前には終える
通夜の準備をする場合
通夜には、故人と親しかった人が多く集ります。進行がとどこおらないように、準備には万全を期します。
夜通しから「半通夜」が一般的に
遺族や近親者が集まって、最後のお別れをするための通夜。昔は、灯明や線香を絶やすことなく、夜を徹して故人を見守るものでしたが、最近では一晩中付き添うこと(夜とぎ)は少なく、葬儀や告別式と同じように、ひとつの「式」としてとらえる「半通夜」が一般的となりました。
また、仕事の帰りに立ち寄れるように、いまでは葬儀より通夜の会葬者の数が圧倒的に上回っています。
受付には白い布をかけた机
自宅で通夜・葬儀を行う場合には、玄関先に受付を用意して会葬者を迎えます。白い布をかけた机を置き、「受付」と書いた紙を張ります。机の上には弔問客の会葬・香典帳・香典受け・名刺入れ・筆記具を置きます。
雨天の場合は傘やコートを預かる場所を確保し、預かりものにつける番号札も用意しておきましょう。
通夜振る舞いの料理の量は会葬者の50~70%がめやす
焼香が終わった会葬者は、通夜振る舞いの席に案内します。通夜振る舞いの料理は、昔は精進料理と決められていましたが、最近では、祝い席によく使われる海老や鯛を避ければ、とくにこだわる必要はありません。
一人前ずつの料理より、寿司やサンドイッチ・つまみ・菓子など、気軽につまめるものを出すことが多いようです。飲物は、ビール・ジュースのほか、死のけがれを清める意味で清酒を用意するところもあります。
喪家で料理を作ったり、隣近所が持ち寄る地域もありますが、大きな仕出し屋に依頼すると、料理のほかに食器が借りられ、お手伝いを派遣してくれるところもあります。通夜ではゆっくり食事もできません。
料理の量は、会場の広さも考えて、会葬見込み者の50~70%分をめやすにするとよいでしょう。
世話役代表が確認すること
供物・供花・花環が届いたら
供物(ロウソク・線香・果物・菓子など)や供花(祭壇の生花)、花環が届いたら、「供物・供花記帳簿」に差出人の名前と内容を記入します。供物や供花は、いずれも故人にささげるものなので、会葬者だけでなく喪主や遺族側も贈ります。
親族が多い場合は個々にではなく、「○○一同」という名前にして芳名板に記します。供物は、祭壇の両側に、上から順に並べていきます。供花は柩から左右に、花環は玄関に近いところから順に、故人との関係が深い順に並べていきます。
贈った人の社会的地位も考慮して、感情を害さないように、十分な配慮が必要です。通夜がはじまってから届いたものについては、届いた順に並べていってかまいません。最近は、辞退する遺族もふえています。
祭壇に供えてよいもの
祭壇の飾り方は宗派によって異なります。一般的には、位牌・遺影・供物をのせた三方、ロウソク・供花・香炉・線香・りん(読経のときにたたく仏具)を置き、さらに山盛りのご飯に箸をたてた一膳飯、水を供えます。
故人の愛用品や思い出の品を並べてもよいでしょう。
遺族、世話役代表は正喪服を着用
深く喪に服すという遺族の気持ちを表す意味で、通夜では、喪主・遺族・近親者は正喪服を着ます。喪主は喪主とわかるような印となるリボンなどをつけます。未婚の女性は本来は黒で統一しますが、和服なら藤色や水色といった半喪服といわれる色無地紋付でもかまいません。
洋装なら、準喪服でもよいでしょう。学生の場合は制服が喪服のかわりになります。なければ黒っぽい地味な服装にします。子どももできるだけ地味な服装を着せます。世話役代表、葬儀委員長、進行係は正喪服、その他の世話役は立ち働くことが多いので、準・略喪服でかまいません。
モーニングは通夜の席では着ない
本通夜では正喪服が基本ですが、モーニングコートは昼間の服装なのでタブーです。通夜は夜に行われるものなもで、洋装にするならダークスーツにします。
通夜の1時間前には準備を終える
自宅で通夜を行う場合、家の広さや規模、世話役の数によって、準備にかける時間はまちまちです。世話役代表は最終の確認をおこたることなく、早く来る会葬者もいることから、遅くても1時間前には通夜の準備をすべて終えたいところです。
この記事に関係する商品
葬祭マナーカテゴリ