神式の一連の葬礼で最大のイベントです。遺族・参列者一同が玉串を奉奠し、故人の御霊を一家の祖霊として祀ります。
重要事項
- 葬場祭には手水を用意し、玉串案を置くのが正式
- 祭壇、神職の席は一段高い位置に
- 式次第では世話役は全体をよく把握
- 拍手は音を出さないしのび手で
葬場祭(葬儀・告別式)を進める
神式の一連の葬礼で最大のイベントです。遺族・参列者一同が玉串を奉奠し、故人の御霊を一家の祖霊として祀ります。
葬場祭を正式に行うとかなりの規模を要します
神社では葬儀をしないので、神式の葬儀(葬場祭)は、自宅か葬場祭(斎場)で行うことになります。どちらで行うかは規模によりますが、正式に行うと相当な広さを要するため、自宅を祭場とした場合は、簡略化したものになります。葬儀社とよく相談し、無理のないものにしましょう。飾りつけも業者がしてくれます。
正式には、一段高くした部屋の一番奥に柩を安置し、柩の三方に縫い取り模様のある壁代をめぐらします。柩の前に柩に近い順に遺影、神饌、幣帛、玉串案を並べ、その左右対に内側に灯火、外側に榊を立てます。壇上の右には斎主・副斎主・斎員、左側には楽人の席をもうけます。
向かって右側が喪主・近親者、左側に世話役代表・葬儀委員長
参列者の席は、一段低い位置にもうけ、喪主・近親者は向かって右側、左側に世話役代表や葬儀委員長、友人・知人、後方に一般会葬者が座ります。
参列者一同はまず手と口を清めます
葬場祭は仏式でいう葬儀・告別式のことをいいます。正式には式の前に通夜祭で供えた神饌をすべて新しいものに替え、故人と別れる最大の儀式に備えますが、最近は水・酒・塩・洗米のみ変えることが多いようです。葬場祭の一般的な式次第と内容は次のとおり。
手水
参列者全員が手を清め、口をすすいで着席します。
神職入場
世話役進行係の誘導で神職が入場します。参列者一同は立ち上がり、場合によっては座ったまま、深い礼をして迎えます。
開式の辞
進行係が「ただいまより故○○の葬場祭を行います」と宣言。
修祓
斎主が葬場・供物・参列者など、すべてのものを祓い清めます。一同は深い礼をして受けます。
斎主一拝
一同、これにならいます。
奉幣・献饌
楽人が楽を奏でるなかで、斎員が神饌・幣帛を供えます。
斎主祭詞奏上
斎主が故人の経歴・人柄・功績について述べて、安らかな永眠と、その御霊が祖先の御霊とともにあり、家の守護神となるように祈ります。一同、深く礼をします。
誄詞奏上
副斎主が故人の生涯を詳しく述べ、故人をしのびます。
弔辞をささげます
弔辞・弔電披露
弔電を述べる人を進行係が呼び、弔辞をささげてもらいます。あらかじめ打ち合わせておき、2、3人、1人3分程度でまとめていただきます。弔電は進行係が読み上げ、時間がない場合は割愛します。
斎主一拝
斎主が霊前に玉串をささげたあと、喪主、遺族、近親者、一般会葬者の順に玉串奉奠します。
玉串奉奠
斎主が一拝したあと、参列者一同もこれにならいます。
神職退場
斎主・副斎主・斎員が退場するあいだ、一同は深く頭を下げます。世話役接待係は、神職を控え室に案内し、労をねぎらいます。
閉式の辞
進行係が「これをもって故○○の葬場祭は終了いたしました。これより告別式に移ります」と宣言。
告別式
葬儀と告別式を分けた場合、一般会葬者はここで玉串奉奠し、遺族は一人ひとりに黙礼します。
閉式の辞
進行係が「故○○の葬場祭・告別式を終了いたしました。出棺の用意ができるまで、控え室でお待ちください」などと述べます。
玉串奉奠を終えたらしのび手で二礼二拍手一礼を
玉串奉奠の仕方は次のとおりです。
一般会葬者は米で代用
玉串奉奠は、参列者の数だけ玉串を用意するのが本来ですが、会葬者が多い場合には、遺族だけが行い、一般会葬者は米で代用することもあります。
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