「香典返し」とは、お通夜や葬儀の時に故人に供えていただいた「香典」へのお返しのことです。遺族からの感謝の気持ちとして送る習慣があります。「香典返し」を送る時期については、仏式の場合、法事も無事に終えて故人を送る事が出来ました、という意味も込めて、四十九日の忌明けした後に送るのが一般的です。
また近年では、お通夜や葬儀の日に送る「即日返し」というのも増えてきています。この場合、高額の香典をいただいた方や特にお世話になった方などには、後日改めて挨拶状と共に香典返しの品物を送る事があります。
神式やキリスト教などのカトリックの場合は、基本的に「香典返し」という習慣はありません。ただ、カトリックなどでは「三十日目の追悼ミサ」などが行われ、その際にごあいさつの贈り物をする事が多いようです。これが仏式でいう「香典返し」に当たります。
品物の選び方ですが、本来後々形に残らないものを選ぶのが良いと言われています。お茶や海苔、タオルセットなどの必需品で消耗品が良いとされています。金額などについては、いただいた香典の金額の、3分の1~半額くらいの品物が一般的です。
「香典返し」を送る際の水引は「黒白結びきり」です。関西地方~西日本辺りでは「黄白結びきり」を使う場所もあります。水引には2種類あり、一度結んだらほどけない「結びきり」と、ほどいて何度も使うことのできる「蝶結び」に分けられます。
「蝶結び」は何度も繰り返して良いお祝い事に使用し、「結びきり」は結婚や快気祝いや葬儀など、二度繰り返してはいけない事の際に使用します。ですので香典返しの際は、一度きりで終わる・弔事を二度と起こらせないで繰り返さないように、という意味合いが込められている「結びきり」を使用します。
また、「結びきり」のバリエーションとして、「あわじ結び」も使用されます。「あわじ結び」は、両方の端を強く引っ張ると強く結ばれることから、末永く付き合うという意味が込められています。
表書きについては「志」が一般的です。「志」というのは、宗教に関係なく使用できる表書きになります。神式やキリスト教の場合は「志」「偲草」「粗品」などが使われています。「水引の下には施主の名前、名字かフルネームを書き入れます。
「香典返し」と共に挨拶状も添えてお送りします。この挨拶状は、お世話になった方へのお礼と感謝の気持ちを託したものです。更に、弔事が無事に終わりましたと、いう報告も兼ねた大事なものになります。
挨拶状の書き方は、挨拶の言葉・お香典やご会葬などへのお礼・忌明けの法事を無事に終えた報告・供養の品として品物を用意した旨、などを中心に書いていきます。