葬儀(ミサ)の準備・進行は教会側が行い、告別式は遺族側が行うのが一般的です。世話役はよく打ち合わせを。
重要事項
- 世話役を早めにお願いする
- 聖体拝領では信徒は聖体を受ける
- ミサを終えたら神父は退場する
- 告別式は世話役が進行する
- 骨壷は黒布で包む
カトリックのミサの場合
葬儀(ミサ)の準備・進行は教会側が行い、告別式は遺族側が行うのが一般的です。世話役はよく打ち合わせを。
日程や進行は教会とよく打ち合わせます
カトリックの葬儀は、教会で行うのがふつうです。従って、葬儀の準備や進行は教会側がとりしきる場合が多く、遺族側が世話役を頼む場合も教会側の説明をよく聞いて、その指示に従う必要があります。
世話役は早めに頼み仕事を分担してもらいましょう
遺族は、葬儀・告別式を手早く要領よく進行させるため、世話役を早めに頼みましょう。とくに信徒ではない参列者が多い場合は、会場の受付係・案内係が必ず必要になります。また、告別式は本来カトリックにはなく、神父も加わりませんから、世話役に式の進行を頼むことになります。
喪主と遺族の席次は祭壇に向かって右側最前列に
席順は、喪主・遺族・近親者を祭壇に向かって右側最前列に、故人ととくに親しくしていた人たちを左側最前列にすること以外、とくにこだわる必要はありません。
柩が自宅を出るときは神父が立ち会います
葬儀の日に自宅から教会へ柩を運ぶときは、神父に来てもらうのが原則です。神父に従って「出棺の祈り」をささげます。ただし、最近神父を招かずに、信者の祈りだけですませる場合も増えてきました。
葬儀(ミサ)では故人の永遠の安息を祈ります
カトリックの葬儀はミサといい、開祭の儀、言葉の典礼、感謝の典礼、聖歌合唱の順に進行し、神父が退場して終わります。開祭の儀は、「入祭の歌」が流れるなかを神父が入堂してはじまります。神父は祭壇に香を献じ、「開祭の言葉」を述べ、会葬者一同を代表して、故人のために祈りをささげます。
「言葉の典礼」は、聖書の朗読、神父の説教と続き、神の声に耳を傾けながら、個人の死に慰めと希望を見い出し、一同、心を合わせて祈ります。「感謝の典礼」は、祭壇にキリストの体と血であるパンとぶどう酒をささげ、故人が復活の神秘にあずかり、永遠の命を得るようにと祈る儀式です。
神父は聖体拝領を行い、信徒は前に出て、聖体(パン)を受けます。最後に参列者一同で聖歌を合唱、神父は退場し、告別式には神父は入堂しません。
参列者が多数の場合は献花の前に遺族あいさつを
告別式は教会側から遺族側に委ねられ、世話役が進行しますが、ふつう次のように行われます。聖歌隊が聖歌を合唱、故人の略歴が紹介され、弔辞・弔電が紹介されます。喪主、遺族、近親者、友人、知人の順に献花、遺族代表が感謝のあいさつをします。
参列者が多い場合は、献花がすみ次第、参列者が退場できるように、遺族代表あいさつを献花の前に行うようにします。カトリックでは日本の風習を積極的に取り入れています。献花も日本でつくられた儀式ですが、最近は焼香を行うところも珍しくなくなりました。
出棺にあたって遺族代表があいさつ
柩が葬儀会場を出る前に、遺族は故人と最後の対面をし、柩のなかに献花をします。霊柩車出発前に遺族代表が会葬者一同に出棺のあいさつをします。世話役は火葬場に同行する人を車へ、見送る人を所定の場所へ案内します。霊柩車やレンタカーの運転手への心づけを忘れないように。
骨壷はキリスト教用の黒い布で包み、喪主が持ちます
火葬場の柩は花や十字架で飾ります。神父の祈りに続いて、参列者は最後の祈りをささげます。骨あげは仏式に準じて行います。骨壷は白木の箱に納め、キリスト教用の黒い布で包んで喪主が持ちます。
遺骨は埋葬の日まで自宅の聖壇に安置
「遺骨迎え」の前に、自宅に聖壇を用意しておきます。故人が好きだった食べ物、愛用の物などを供えるのもよいでしょう。埋葬の日はとくに決まりはありません。死後1ヵ月目の追悼ミサが多いようです。
生花・花環は送り主の名をとってしまうことがある
カトリックの葬儀では、生花や花環を持ち込むと、贈り主の名札を取ってしまうことがあるので、承知しておきましょう。 これは、キリスト教では神の前ではすべての人が平等であり、個人の社会的立場を表すものは避けるということからきています。世話役は、記帳を忘れないようにします。
一般会葬者が多い場合には式次第のプリントを
カトリックの信徒でない参列者が多いことがわかっている場合には、世話役に頼んで、葬儀・告別式の式次第をプリントし、あらかじめ配布しておいてもらいましょう。こうすれば、一般の会葬者にも、不安を覚えさせずに、葬儀のはじめから参列してもらうことができます。
7歳未満の子どもは死後ただちに神の身元へ
カトリックでは、7歳未満の子どもは洗礼によって清められ、罪を犯すことはない、と考えられ、死後ただちに神の身元へつかわされるとされています。したがって、告解の必要はなく、頭に花の冠をかぶせ、白い布でおおい、天国へ召されたことをたたえる祈りをささげます。神父も祝いの白い祭服を着ます。
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