いわゆる香典は故人の霊に手向けるためのものです。金額や体裁などは、しきたりを参考にして、心を尽くしましょう。
重要事項
- 香典の金額や不祝儀袋の選択は、故人との関係、弔問客の立場とのつりあいを考慮する。
- 不祝儀袋の表書きは、宗教によってそれぞれ異なる。
香典のしきたりとマナー(1)
いわゆる香典は故人の霊に手向けるためのものです。金額や体裁などは、しきたりを参考にして、心を尽くしましょう。
香典は、包む中身も袋もつりあいが大切
【いくら包むのか】
香典とは、もともと仏式で故人の供養に香木を持参したことから、香料としてお金を包むようになったしきたりです。現在、その金額に明確な決まりはなく故人との関係や喪家の格式、葬儀の規模、弔問者の年齢、社会的地位などさらに地域によってさまざまです。下の表のような金額のめやすもありますが、決めかねるときは同じ立場の人などと相談するのもひとつの方法。
また、香典には会葬者が葬儀費用の一部を扶助するという機能もあるので、最初に想定した金額よりも少し多めに包んでおけば問題ないでしょう。いずれにしても、〝つりあい〟が大切で、最終的に送る人の気持ち次第という点も否めません。なお、香典の金額として、4・9・偶数はタブーです(2000円、2万円はOK)。
【どんな体裁で包むのか】
本来、高額な香典などの場合は高級和紙で中包みを、 さらに表包みをして、黒白または銀一色の水引をかけるのが正式とされています。 しかし最近では、金額に見合った体裁の不祝儀袋が市販されているので、 それを利用するのが一般的です。 ただし、表包みの裏側の重ね方のほか、 宗教による袋の体裁や表書きの違いなどには注意が必要です。
不祝儀袋の表書きは宗教のしきたりに合わせます
香典という言葉自体はもともと仏式のものですが、現在では、香典の習慣のないキリスト教でも一般的になるなど、弔事全般の慣例となっています。
【不祝儀袋の表書きと中包みの書き方】
個人の場合 | 「御霊前」はどの宗教にも使用可能 |
連名の場合 | 連名は3名まで。目上の人を右から順に |
キリスト教式 | 御花料は主にプロテスタント用 |
神式 | 表書きは御玉串料、御榊料などとする |
表包み裏側 | 下の折りの上に、上の折を重ねる |
中包み表側 | 漢数字で金額を記入する |
中包み裏側 | 住所・氏名を記入する。裏に金額を記入する形式もある |
中袋に用いる漢数字など | 一 壱 二 弐 三 参 四 五 六 七 八 九 十 拾 百 千 阡 万 萬 円 圓 金 也 |
【香典額のめやす】
間柄/年代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代以上 |
---|---|---|---|---|---|
祖父母 | 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 | - |
親 | - | 50,000円 | 100,000円 | 100,000円 | 100,000円 |
兄弟姉妹 | - | 30,000円 | 50,000円 | 50,000円 | 50,000円 |
おじ・おば | 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 | 30,000円 | 30,000円 |
上記以外の親戚 | 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 | 20,000円 |
勤務先関係 | 5,000円 | 5,000円 | 5,000円 | 5,000円 | 10,000円 |
友人・その家族 | 5,000円 | 5,000円 | 5,000円 | 5,000円 | 5,000円 |
隣人・近所 | 5,000円 | 5,000円 | 5,000円 | 5,000円 | 5,000円 |
その他 | 5,000円 | 5,000円 | 10,000円 | 5,000円 | 5,000円 |
Q 香典に新札は包まないものだと聞いたことがありますが・・・
A たしかに、香典は古いお札を使うのがしきたりではあります。新札だと、わざわざ香典の準備をしていたと思われかねないからです。とはいえ、どの程度のもがよいかというのも判断しにくく、最近では清潔感を重視するためか、手持ちのなかでもっともきれいなもの、または新札を包むことも多いようです。もし新札が気になるようなら、一度折り目をつけてから不祝儀袋に入れるという方法もあります。
Q 市販の不祝儀袋に「御香奠」という表書き用紙が入っていました。これはどういう意味ですか?
A 「奠」はもともと神式にお供えするという意味です。香奠は読み方も意味も香典と同じ仏教用語とされています。少々古めかしい感がしますが、仏式ならこれで大丈夫です。
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