突然の悲しみと同時に、葬儀の準備。ご自身が葬儀を執り行う立場になることは、人生でもそう多くないはずです。そんなバタバタもひと段落し、悲しみも癒えてきた頃、忌明けのタイミングで香典返しを送ることで、精神的な区切りともなるかもしれません。お悔やみの気持ちを下さった方々に対して、故人の代わりに礼儀を尽くし、正しいマナーで香典返しを行うことが大切です。
香典返しとは
突然の悲しみと同時に、葬儀の準備。ご自身が葬儀を執り行う立場になることは、人生でもそう多くないはずです。そんなバタバタもひと段落し、悲しみも癒えてきた頃、忌明けのタイミングで香典返しを送ることで、精神的な区切りともなるかもしれません。お悔やみの気持ちを下さった方々に対して、故人の代わりに礼儀を尽くし、正しいマナーで香典返しを行うことが大切です。
香典を渡す文化と香典返しの歴史的な意味とは
江戸時代の葬儀は、式場ではなく殆どが喪家の家で執り行われていました。当時喪家は、忌みのため葬儀の準備はあまり行っていませんでした。その代わりとして、近隣の住民が装具を準備したり、金銭でなく米などの物品をお供えするなどして葬儀を行っていました。
ライフスタイルの変化に伴って、実際に近隣の方や親戚が葬儀の準備に手を貸すことがなくなって以降も、突然の悲しみに対して身近な方々が喪家をサポートする文化は残りました。これが、万が一の際に相互的に補い合う文化として、香典を渡す習慣に繋がっているのだと考えられています。
最近では家族葬や密葬も一般的になりつつありますが、一昔前までは葬儀に数百万の金額をかけるのが普通とされており、遺族の心理的経済的負担は計り知れないものでもありました。そのため、香典は喪家に蓄えがあまりなくても葬儀を出すことができるための計らいであり、物品での香典返しは不要とされていました。
その代わりとして、香典を下さった家庭に不幸があった際には同等の金額を出す風習があり、相互扶助の形で香典へのお返しが成り立っていました。
近年の香典返しのあり方
近年では葬儀の簡略化により、遺族が自分の経済的状況を加味しながら葬儀スタイルを選択する時代になってきました。そのため、身近な方々が葬儀のための資金を補填するという考え方は昔ほど根強くはありません。
また、相互扶助の考え方のあった香典ではありますが、結局は一方が返す機会がなく「借り」のある状態となることも増えてきました。そのため、香典を頂いたら都度お返しをする、現代の香典返しの形が一般的となりました。
また、香典返し自体も、後日お手紙を添えてお送りする形式や、頂いたその日にお返しをする「当日返し」の形、香典自体を受け付けずお返しも行わないなどと様々な形が産まれ、遺族の考え方を反映できるようになっています。
香典返しのお礼状・金額・内容など
香典返しには地域性や式の形式でも内容が変わるため、マナー違反にならないためには事前にこれらの情報を確認しておくことが大切です。お世話になる葬儀社は当然その地域の事情にも明るいため、不安があれば必ず相談しておきましょう。地域問わず、お礼状は添えるものとされております。
また、金額は一般的には「半返し」と言われ、頂いた分の1/3~半額のものを送り、差額分はご好意として有難く頂戴します。内容は後に残らない消耗品(お茶や海苔など形がなくなるもの)ですが、最近は金券やカタログギフトも好ましいと考えられています。
せっかくお別れをしに来て下さった方に誤ったマナーで香典返しをしてしまうと、故人に対しても失礼にあたりますので、慎重に準備を行いたいものです。以下にお礼状やお香典返しの内容について詳細な情報を記載してあります。
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